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「観る将のつぶやき」
 (後編)


2023年12月


西 塔  玲 子
 


               観る将のつぶやき(後編)     西塔玲子

       「 観る将のつぶやき(前編)」は、いかがでしたで

   しょうか。

       後編もお楽しみ頂けると嬉しいです。

      
      「将棋俳句に碁は短歌」という言葉があるそうで、昔から

      将棋は俳句のように庶民の間で親しまれてきたということ

      らしい。

      だが今短歌は若い人たちにもブームになるくらい流行って

      いる。

      藤井くんが食べたお菓子が放送後、瞬時に売り切れたり、

      その経済効果は35億円という試算があっても、将棋の普及

      はまだまだ厳しいのだと実感した。

      講座はひと通りの知識を習ったあと、前半を詰将棋、後半を

      実戦という内容で進んでいく。

      1年ほど経った今は、詰将棋は5手詰めから7手詰め、

      実戦は相掛かりの早繰り銀などという、初心者にはおこが

      ましいような戦法を、ほぼ誘導される形で習っている。

      楽しいけれど、惜しむらくはもっと記憶力の盛んな時に

     始めればよかった。

     一生懸命やっているが遅々として進歩せず、申し訳なさが

   先に立つ。でも先生(師匠)はそんな私たちも、いつかは

    どこかの棋戦の団体戦などに出られるまでにしたいと思っ

    てくださっているらしい。

    かたじけなさに涙こぼるるとはこのことだ。

    今年の5月には日本有数の将棋駒の産地、天童も訪ねて

    きた。タイトル戦も数々行われている宿もある。

    昨年の4月には「人間将棋」というイベント参加するため、

   藤井くんも訪れたところだ。市内の将棋駒の店を訪ねて、

   職人さんにいろいろな話を聞けたのも楽しかった。書体や

   制作の技法など知ればそのことにも興味が湧く。

   いまはスタンプで押した、まさに「吹けば飛ぶよな」駒しか

   もっていないが、いずれはこれという気に入った盛り上げ

   駒を思い切って買ってみたい。

   そして藤井くんのタイトル戦を並べて検討したり、先手で彼

    の得意戦法の角換わりを指せたら良いなと思う。

    棋力が上がって段位が認定されると、将棋連盟からときの

    会長と名人の署名りの免状をいただける。

    夢で終わるかもしれないけれど、羽生さんが将棋連盟会長、

    藤井くんが名人の間に初段の免状を手にできたら最高だと

    思う。

    会長の任期は6年くらいだからまだあきらめないでいようかな。

    「観る将」という言葉には単に「指さない将棋ファン」という

   意味だけでなく、どこか本来の将棋以外、その周辺情報に

   のみ 関心を寄せているような軽薄なニュアンスを感じて

   あまり好きではなかったけれど、いまはそこまで拘らなく

   ても良いかと思い始めている。

    詰将棋ひとつとっても、その大変さを思えば「指さないけれど

    楽しめる」ことも十分意味があるような気がする。

   年内のタイトル戦はすべて終わり、年明けの王将戦が待た

   れる。挑戦者も振り飛車党の菅井竜也さんに決まった。

    2024年も打倒藤井くんに燃える棋士たちの戦いぶりや、

    それを迎え打つ藤井くんの、予想を超える一手が今から

    楽しみだ。

   かの君もわが家と同じ<下がり藤>羽織を畳む手際も慣れて
                                                              
                                                                  西塔玲子


 天童市将棋資料館 天童駅のすぐ横にある ☟ 
 


 ほほえみの宿滝の湯「竜王の間」 ☟



 舗道を磐に見立てた詰将棋 街のあちこちにある



 栄春堂 駒の販売と展示 ☟



 人間将棋が行われる舞鶴山公園 ☟



 舞鶴山公園の王将の碑 大山康晴書 ☟




 


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