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<32>「さ っ ぽ ろ 暮 ら し」

2021年7月


寺 尾  恵 仁

 
                                                                    
    「 さ っ ぽ ろ 暮 ら し 」   寺 尾  恵 仁
  
  突如降って湧いたような話で、札幌の大学に就職が決まった。

 2月の初旬に話をいただき、下旬にzoom面接、3月中旬に最終決定、

 同時に新居を探し、それから十日あまりで引っ越しという急転直下

 である。札幌という街は、りとむとも縁が深い。これまで「北二十

 二条西七丁目」や「つきさっぷ」という語は目にしつつも、まさか

 自分がその地に暮らすとは夢にも思わなかった。

   引っ越しからしばらく、春から初夏にかけて街には種々の花が

 咲き誇った。黄や紫のクロッカスが地面から顔を出したかと思うと、

 色とりどりのチューリップが取って代わり、紫色のライラックが咲

 き、真っ白なニセアカシアが甘い香りを漂わせ、いま7月半ばは

 菩提樹が盛りである。

  初夏の爽やかな風の中、札幌で名高いパン屋「どんぐり」で買っ

 たパンを食べ、北海道限定コンビニ「セイコーマート」で買った

 「サッポロクラシック」ビールを飲む。こりゃもうドイツに行く

 必要がないではないか。

   一つ心配ごとと言えば、今年はヒグマの被害が例年になく多い

 こと。先日札幌市内の中心部にヒグマが出現して4人が負傷した

 のも記憶に新しい。コロナ禍で里山の草刈りなどが滞っていること

 が一因だとか。娘は「山には絶対行かない!」と固く決意している。

 動物園で見るヒグマは可愛いけれども、あれはヤバい。マジで。

    


  藻岩山より札幌市内を望む。
          ちなみに藻岩山でもヒグマ目撃情報あり)

  


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