巻 頭 エ ッ セ イ

<41>「歌詠みの心がけ」


2021 年 12月


原 田  俊 一 

 

        歌 詠 み の 心 が け      原 田 俊 一

    この度、歌集『あけぼの杉』を上梓しました。三枝ミ之様・

  今野寿美様には「りとむ短歌会」入会以来ご指導をたまわっ

  ており、歌集の上梓に際しましては、ご懇切なご教示をいた

  だき真直ぐな『あけぼの杉』を立ち上げることが叶いました。

  ありがとうございました。更にミ之先生には行き届いた跋文

  を書いていただきました。跋文を読んで、歌集『あけぼの杉』

  の背景が良く理解できたとの多くの意見をいただき感謝して

  います。

  なお、多くの歌友より感想をいただきました。この場を借りて

  お礼申し上げます。なかには、本文用紙がめくり易く、上白で

   読みやすかったとの意見がありました。

   これは私が勤めていた日本製紙岩国工場で抄造した上質紙

   を使用しようと試みたものです。歌集には通常用いない常識は

   ずれなもので、怪我の功名であります。

 手紙のなかに、歌詠みを始めた頃の私の文章をわざわざ寄こ

   された奇特な歌友がおられ、参考までに紹介します:―

  歌の入口に立って思うこと

      @ 小さいけれど強く生きんとしているもの

       A 静止しているけど動きたがっているもの

       B ものを言わないけど言わんと欲しているもの

       C 命はないけど命あらんとうつるもの

 それらに自分の心を投影して代弁してみる。また写実の心で

  接してみる。そうして少しでもそれを表現できれば歌詠みの悦

  びとするものかもしれない。その為に好奇のまなこを強くし、 

  心を集中し奥なるものを透視する力を磨くことが必要である。

  以下略

 この内容を考えるに、今まで生きて来た発想では、歌は詠めな

  い。六十の手習いに際し「歌詠みの心がけ」を綴ったものと思

  います。大雑把で自己中心的だった過去を反省した心境であ

  ったのでしょう。果たしてそのことが生かされた歌集『あけぼの

   杉』であるか? 

 今更ながら自歌集の頁をめくり反省の日々です。

                         以上
  


  

   
 

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