歌 詠 み の 心 が け 原 田 俊 一
この度、歌集『あけぼの杉』を上梓しました。三枝ミ之様・
今野寿美様には「りとむ短歌会」入会以来ご指導をたまわっ
ており、歌集の上梓に際しましては、ご懇切なご教示をいた
だき真直ぐな『あけぼの杉』を立ち上げることが叶いました。
ありがとうございました。更にミ之先生には行き届いた跋文
を書いていただきました。跋文を読んで、歌集『あけぼの杉』
の背景が良く理解できたとの多くの意見をいただき感謝して
います。
なお、多くの歌友より感想をいただきました。この場を借りて
お礼申し上げます。なかには、本文用紙がめくり易く、上白で
読みやすかったとの意見がありました。
これは私が勤めていた日本製紙岩国工場で抄造した上質紙
を使用しようと試みたものです。歌集には通常用いない常識は
ずれなもので、怪我の功名であります。
手紙のなかに、歌詠みを始めた頃の私の文章をわざわざ寄こ
された奇特な歌友がおられ、参考までに紹介します:―
歌の入口に立って思うこと
@ 小さいけれど強く生きんとしているもの
A 静止しているけど動きたがっているもの
B ものを言わないけど言わんと欲しているもの
C 命はないけど命あらんとうつるもの
それらに自分の心を投影して代弁してみる。また写実の心で
接してみる。そうして少しでもそれを表現できれば歌詠みの悦
びとするものかもしれない。その為に好奇のまなこを強くし、
心を集中し奥なるものを透視する力を磨くことが必要である。
以下略
この内容を考えるに、今まで生きて来た発想では、歌は詠めな
い。六十の手習いに際し「歌詠みの心がけ」を綴ったものと思
います。大雑把で自己中心的だった過去を反省した心境であ
ったのでしょう。果たしてそのことが生かされた歌集『あけぼの
杉』であるか?
今更ながら自歌集の頁をめくり反省の日々です。
以上
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